追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「今日も綺麗だよ。フランソワーズ」

「あ、ありがとうございます……! ステファン殿下」

 
相変わらずフランソワーズはステファンから熱烈なアピールを受けていた。
最近ではステファンに押されっぱなしである。


「今日もフランソワーズにプレゼントがあるんだ」

「わたくしにですか?」

「フランソワーズに似合うと思って……」

「……素敵!」


フランソワーズに渡されたのは美しい真紅の薔薇だった。
ステファンから薔薇を受け取ったフランソワーズは嬉しさから自然と笑顔になる。
ステファンはこうしてフランソワーズに似合うから、好きそうだから、という理由で様々なものをプレゼントしてくれる。


「帰り道に馬車で通っている時に見かけたんだ」

「そうなんですね」

「一緒に買い物に行かないか? フランソワーズにドレスやアクセサリーをプレゼントしたいんだ。それから今度のパーティーに僕のパートナーとして出席してくれないか?」

「ステファン殿下、待ってください!」


フランソワーズはステファンの言葉を遮るように声を上げる。


「本当にわたくしにでいいのですか……?」

「そうだよ。僕はフランソワーズがいいんだ」


フランソワーズはステファンの婚約者でもないのに、こうしてもらうことに罪悪感を感じていた。
こちらの気持ちを察してか、ステファンは困ったように笑う。
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