追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜

話の流れから口から本音が漏れてしまったようだ。
しかしステファンへの気持ちを偽ることはできない。
フランソワーズは、しっかりしなければと頬を叩いて気合いを入れてからステファンに向き直る。


「わっ、わたくしはステファン殿下のことが好きですわ!」

「……!」

「ですから……ンッ!?」


ステファンの大きな手のひらが、フランソワーズの口元をそっと塞いだ。
フランソワーズは戸惑いつつもステファンを上目遣いで見つめていた。


「ごめん……これ以上は嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだ」

「……!」


珍しく照れているステファンに釣られるようにして、フランソワーズも頬を染めて瞼を伏せた。
互いの想いが通じあったのだと実感した瞬間、カッと体温が上がったような気がした。
フランソワーズがステファンのことを好きだと言うのは嘘ではない。
彼に惹かれている……それは紛れもなく本当の気持ちだった。


「あのっ……ですからもう少しだけ気持ちの整理がつくまで、待っていてくれませんか?」

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