追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
いつもとは違い、力強い剣捌きで騎士たちを薙ぎ倒す姿は圧巻だった。

イザークとノアの話によると、どうやら呪いが解けてからは体が軽いらしく、さらに動きが速くなったそうだ。
訓練場の端にはステファンにやられた騎士たちは山のように積み上がっていく。
いつものステファンとは違い、男らしい姿にフランソワーズは内心惚れ惚れとしていた。
イザークとノアはステファンに怒られないかと隣でソワソワしている。

頃合いを見計らってフランソワーズは差し入れと、汗を拭くための布を持ってステファンの元へ。
フランソワーズに気づいたステファンが大きく目を見開いていた。


「フランソワーズ、こんなところで何を……!」

「おつかれさまです。ステファン殿下」


汗を拭う布を差し出すと、ステファンは戸惑いつつも布を受け取る。
荒々しく汗を拭うステファンから露出する肌と色気に、視線を逸らしてしまう。
くらりと目眩がした。


「ありがとう、フランソワーズ。でも、どうしてここに?」


ステファンの問いかけに、フランソワーズはハッとして顔を上げる。
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