追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
そんなステファンの言葉と同時に目の前に並べられる髪飾り。


「フランソワーズの金色の美しい髪には、どんなものでも似合ってしまうから悩んでしまうね」


ステファンはそう言いつつも楽しそうである。


「コレとコレは外せない。フランソワーズはどちらが好きかな?」

「えっと……」


フランソワーズの前に並べられているのは、青い宝石が嵌め込まれている髪飾りと緑色の宝石が散りばめている髪飾り。
その髪飾りを見て、フランソワーズはあることを思う。

(この宝石……ステファン殿下の瞳みたい)

フランソワーズは青い宝石が嵌め込まれている髪飾りを手に取った。
そういえば先ほどもオーダードレスを頼んだ時。
ステファンの瞳と同じ青い生地や黒い刺繍を無意識に選んだことを思い出す。

(わたくし……ステファン殿下のことを思い出して選んでいたのね)

その瞬間、フランソワーズは照れてしまい反射的に顔を伏せる。
ステファンは微かに肩を振るわすフランソワーズを見て不思議そうにしている。


「フランソワーズ、どうかしたのかい?」

「いえ……」

「青の宝石がついた髪飾りでいいということでいいのかな?」
< 146 / 204 >

この作品をシェア

pagetop