追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「フランソワーズ、体調はどうかな?」

「申し訳ありません。今までずっと聖女の仕事ばかりしていて、あまり体力がないもので……」

「いいや、僕こそ年甲斐もなくはしゃいでフランソワーズに無理をさせてしまいすまなかった」

「ステファン殿下のせいではありませんから」


謝るステファンにフランソワーズは首を横に振る。
幼い頃から外で駆け回ったり、誰かと遊ぶこともなく、塔で祈ってばかりいたたフランソワーズ。
聖女としての強い力はあっても、体力がないのは事実だ。
どうやら自分の体力を見誤ってしまったらしい。
フランソワーズはステファンに手を引かれながら店を後にする。

馬車に乗るとドッと疲れが肩にのしかかる。
フランソワーズの手をステファンはずっと握ってくれている。
紅茶のおかげもあり、ポカポカと体が温まり、次第にフランソワーズを眠気が襲う。


「フランソワーズ、着いたら起こすから少し休んでくれ」

「はい……ありがとう、ございます」

「ゆっくり休んでくれ」

「ステファン、殿下……」


フランソワーズはステファンの言葉に甘えて瞼を閉じる。
疲れからかすぐに眠気が襲い、意識が遠くなっていった。
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