追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
それに数日前には、シュバリタイア国王からフランソワーズを返してくれと泣きつく手紙が来た。
どうやらフランソワーズがステファンと共に馬車に乗り込んだあの日。
二人でいるところを見ていた門番から聞き、居場所を突き止めたようだ。
フェーブル王国ではフランソーズは英雄だ。
だからこそ、居場所の特定も容易かったろう。

ステファンはシュバリタイア王国のことをフランソーズに伝えたくなかった。
心優しいフランソワーズのことだ。
それを聞いたら、彼女は罪悪感を感じてしまうかもしれない。
シュバリタイア王国のために国に戻ると言うかもしれない。
ありえないと思いつつも嫌な考えが頭をよぎる。

(フランソワーズは優しすぎる。だからあんな目にあってしまった……)

意図的にフランソワーズの元にシュバリタイア王国の情報が耳に届かないように手を回している。
それにフランソワーズをまた傷つけるような者たちは絶対に近づけたくない。

フランソワーズは、もはやフェーブル王国にとってなくてはならない存在だ。
父もフランソワーズに守ることには賛成してくれた。
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