追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
フランソワーズを貶めるために用意した侍女や使用人は悪魔祓いの力で救ってやり、無理矢理協力を求めた。
フランソワーズの美しさと力に嫉妬している令嬢と協力して、彼女を虐げていたと嘘をつかせた。

それも騎士たちの調査によって、彼女たちの証言はバラバラなことが判明してしまう。
それがフランソワーズが出て行ってから、一週間目のことだった。

だが、それをセドリックはシュバリタリア国王たちやベルナール公爵たちの耳に入る前に揉み消したのだ。
騎士たちを辺境に飛ばして、何もなかったことにした。

(よかったわ……やっぱりセドリック殿下はわたしが好きなのね)

それにはマドレーヌも安心したし、セドリックに感謝していた。
すべてをフランソワーズのせいにすることは成功したが、セドリックは共に喜んではくれなかった。
彼にお礼を言おうとしたが、セドリックは険しい表情でマドレーヌの肩を乱暴に掴む。


「マドレーヌ、どうして俺に嘘をついたんだ……!」


彼に責め立てられると思わずに、マドレーヌは驚いていた。
今まであんなにもマドレーヌに甘く優しかったセドリックは別人のようだ。
唇を噛んだマドレーヌは、叫ぶように言った。


「わっ、わたしは嘘なんかついてませんから!」

「なんとか揉み消したからいいが、これが父上や母上にバレていたらどうなったかわかっているのか!?」
< 159 / 204 >

この作品をシェア

pagetop