追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
マドレーヌの味方をしていた令嬢たちも焦りを滲ませる。
話を合わせようとコソコソと何かを話し合っていたが、セドリックの指示を受けた騎士たちによって、すぐに別室へと連れて行かれてしまう。
戸惑うマドレーヌにフランソワーズは笑みを深めた。

(今までわたくしが何もしなかったから油断していたのね)

だが余程のことがない限り、フランソワーズの身の潔白は明らかになることはない。
セドリックはフランソワーズを一方的に悪だと信じているからだ。


「この罪が認められた時、お前は地べたを這いつくばって謝罪することになるぞ……!」

「別に構いませんわ」

「……なっ!」


冤罪が明らかになっても、罪を被されてもどちらでもいい。
フランソワーズが出て行った後ならば


「はっ……その余裕もいつまで続くのか」

「いつまででも続きますわよ? だってわたくし、マドレーヌに何もしておりませんもの。この子に興味を持ったことすらありませんわ」

「なんだと……?」


フランソワーズの余裕のある表情に、セドリックもさすがに違和感を感じているようだ。
まだマドレーヌの言いなりになるほど、落ちぶれてはいないらしい。
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