追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜

「信じてくださいっ、セドリック殿下……!」

「答えろ、マドレーヌッ!」

「……ッ!」


マドレーヌが上目遣いでセドリックをアピールしても、彼は怒ったままだ。
苛立ちが収まらないのかセドリックは、マドレーヌを乱暴な口調で責め続けた。
しかし、マドレーヌも徐々に苛立ちが込み上げてくる。

(なによっ、わたしに惚れているくせに!このわたしと結婚できるんだから少しくらいいいでしょう?)

セドリックの身勝手な態度が許せずに、マドレーヌは唇を噛んだ。


「もしフランソワーズを冤罪で追い出したことがバレたらどうなるか、考えたくもないっ」

「……はっ!?」

「全部、お前のせいだからな! 責任は取れよ、マドレーヌ!」


その言葉にマドレーヌの中で張り詰めていた糸がプチリと切れた。


「何を言っているのよ! フランソワーズお姉様を追い出したのはセドリック殿下でしょう!?」

「何、だと……?」

「わたしは助けてとお願いしただけだもの! フランソワーズお姉様を追い出してなんて、一言も言っていないじゃない!」

「……っ!」

「あなたが勝手にやっただけなのに、わたしのせいにしないでよっ!」
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