追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
そう言うとセドリックは血走った目でこちらを睨みつけている。
しかしマドレーヌは虐げられている、セドリックの婚約者だったらいいのにと言っただけだ。
ニヤリと歪むマドレーヌの唇。
これで自分の責任ではなくなる思っていたが、予想外のことが起こる。


「マドレーヌ、お前がフランソワーズよりも悪魔祓いの力が上だと言ったのは嘘なんだろう?」

「……ッ!」

「父上や母上の前でそう言ったんだ。王族を謀ったとなればどうなるのか……わかるだろうな?」


今度はセドリックの唇が弧を描く。
確かにマドレーヌは宝玉を壊せるとシュバリタリア国王と王妃の前で言ってしまった。
それは覆せない事実だ。

(だって原作ではマドレーヌが宝玉を壊していたじゃない。こんなことになるなんて私だって思わなかったもの、仕方ないことなのに、信じられないっ!)

マドレーヌが、こんなにも悪魔祓いの力が少ないなんて思わなかったのだ。
彼女は生まれ持って強い力を持っていたから、ここまで上り詰めたのだと思っていたのに。
マドレーヌはガリガリと爪を噛んだ。


「本当はそうなるはずだったのよ……! わたしは間違ってないわ」

「嘘がバレたらお前も共犯だ! 宝玉を長時間掛けたとしても浄化できもしない。この嘘つきめっ!」

「……っ!?」
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