追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜

今まで宝玉はフランソワーズに頼りきりだったが、彼女がいなくなったことで負担は重くのしかかっていた。
解放されたい……そんな思いが透けて見える。
しかし、マドレーヌはフランソワーズが何故フェーブル王国にいるのか気になって仕方なかった。
それは他の令嬢たちも同じようだ。


「でも、どうしてフェーブル王国にフランソワーズ様がいるのかしら?」

「フランソワーズ様は帰ってきてくださるのですかっ!?」

「……それはっ」


王妃はそう問われて顔を伏せた。
令嬢たちは、マドレーヌのせいだと言わんばかりに再びこちらを睨みつける。
自分から国を出て行って、どこかで野垂れ死んだと思っていたフランソワーズが生きている。
そして次巻の舞台であるフェーブル王国にいるという事実に驚くばかりだ。

(フェーブル王国……なんで?)

王太子のステファンと王女のオリーヴは悪魔の呪いに長年、苦しんでいた。
その呪いが体を蝕み続けて、オリーヴが亡くなってしまったことでステファンが悪魔に乗っ取られてしまう。
そこからステファンの暴走が始まり、国は大混乱。
その影響はシュバリタイア王国にまで及んでしまう。
シュバリタイア国王は昔、フェーブル国王から悪魔のことを相談を受けた際に断ったことがあり責任を感じていた。
その憂いを晴らすため、そしてシュバリタイア王国を守るためにセドリックと共にフェーブル王国に向かうのだ。
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