追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「フェーブル王国ではフランソワーズは英雄らしいの。嘘をついて最悪の事態を招いた犯罪者のあなたとは大違いね、マドレーヌ」

「……ッ!」

「フランソワーズは聖女として王家を救ったらしいのよ。今はフェーブル国王の王家にとても大切にされて城で暮らしているわ」


マドレーヌは王妃の話を聞いて震えていた。
ただフランソワーズが幸せに暮らしていることが許せない。

(そんな……大切にされて、城で暮らしてるって何?)

どうやら城の門番が、フランソワーズを抱えて馬車に乗るステファンを目撃したそうだ。
フランソワーズとステファンに、どんな関係があったのかはわからない。
門番はフランソワーズは抵抗しており、自分からフェーブル王国に行こうとしているようには見えなかったという。

(やっぱりフランソワーズは物語は知らないはずでしょう?それなのにフェーブル王国の王太子、ステファン殿下とオリーヴ王女を救ったんだわ……!)

物語が大きく変わっている。フランソワーズは隣国で地位を築いたようだ。
それにフランソワーズはステファンに憑いていた悪魔を聖女の力で祓ったのだろう。
なのに、マドレーヌは今まで見下していた令嬢たちに馬鹿にされている現状。

(フェーブル王国にいた悪魔は宝玉の中にいる悪魔よりは弱かったはず……!わたしが浄化できていたらこんな思いをしなかったのにっ)
< 167 / 204 >

この作品をシェア

pagetop