追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
ステファンと街に買い物に行った後、疲労感にフランソワーズは馬車の中で、彼に寄りかかったまま眠ってしまったようだ。

(とてもいい夢を見た気がするわ)

フランソワーズは暫くぼんやりとしていた。
乱れた髪を直すために髪を耳に掛けようとすると、右手にキラリと光るものに気がついてハッとする。

(指輪……?)

先ほど買った髪飾りと同じ宝石がついた指輪が、フランソワーズの右手の薬指についている。
まだ寝ぼけていたフランソワーズが、その指輪に見惚れているとステファンから声がかかる。


「気に入ってくれた?」

「この指輪は……ステファン殿下がつけてくださったのですか?」

「僕からフランソワーズにプレゼントだ」


フランソワーズはもう一度、ステファンがプレゼントしてくれた指輪を見た。
右手の薬指に嵌められているのにも、ステファンなりの気遣いを感じた。
この指輪には、ステファンの気持ちがこもっているような気がした。


「ありがとうございます、ステファン殿下」

「そう言ってもらえてよかったよ」

「嬉しい…………大切にしますから」
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