追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
「ステファン殿下……いつからですか?」

「……」

「詳しく説明してください」


眉を寄せながら暫く黙っていたステファンは、固く閉ざされた唇を開いた。


「……二週間前からだよ。シュバリタイア王国から〝フランソワーズを返せ〟と手紙が送られてくるようになったんだ」

「どういうことですか!?」


ステファンはシュバリタイア王国が危機的状況にあることや、フランソワーズを返せと抗議の手紙がフェーブル王家宛てに届いていることを話してくれた。


「君の気を揉ませるようなことはしたくなかった。あの国はフランソワーズを傷つけることしかしない……っ!」

「……ステファン殿下」

「フランソワーズには苦しんだ分、笑顔でいてほしいんだ」


ステファンのフランソワーズを想う気持ちが痛いほど伝わってきた。
しかしフランソワーズはシュバリタリア王国の宝玉のことが頭から離れない。
宝玉が黒く染まってしまえば、何が起こってしまうのか物語を読んで知っていた。
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