追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
(このままだと被害を受けるのは、シュバリタイア王国だけじゃないわ。隣国のフェーブル王国にも影響があるはず……!)

それを抑えられるのがマドレーヌのはずだった。
聖女として宝玉を抑えることに自信があったように見えたマドレーヌだったが、聖女としてはうまくいかなかったのだろうか。
何があったのか詳しくはわからないが、聖女としてマドレーヌの力が足りなかったことだけは確かだ。
それにフランソワーズを冤罪で追放したこともバレてしまい、責任を取るような形でセドリックがここにいるのなら辻褄があう。

マドレーヌがいたのに、こんな短期間に宝玉が黒く汚れているということは……。
まさか、物語のフランソワーズのように宝玉を穢しているのではないかという考えに行き着いた。
そう考えるとシュバリタイア王国がいきなり窮地に陥ったことも納得できる。
フランソワーズはギュッと手のひらを握った。

(フェーブル王国を守るためにも、どうにかしないと……!)

フランソワーズの表情を見てステファンは何かを悟ったのだろう。
声を上げる前にステファンはフランソワーズの体を引き止めるように抱きしめた。


「ステファン殿下……!」

「フランソワーズ、どうするつもりだ?」


ステファンの背に触れてわ離すように訴えかけても手を離してはくれない。
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