追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
その手紙には、あくまでもフェーブル王国のためだということ。
そしてフランソワーズを無事にフェーブル王国に返す等の約束が守られなければ、シュバリタイア王国に対して軍事行使を行い容赦なく潰していく姿勢だということが伝えられた。

セドリックが来てから一週間ほどの月日が流れて
シュバリタイア王国から、早馬で手紙を届けた騎士は全身傷だらけだった。
やっと国まで戻ることができたと安堵しながら涙していた。
何があったのかとステファンが問いかけるが「恐ろしいことがぁ……!」と、震えながら怯えており、答えられる状況ではないようだ。
手当てをするために城の医務室に運ばれたが「シュバリタイア王国は終わりだ」という言葉が、フランソワーズの耳に届く。

ところどころが土で汚れた白い封筒にはシュバリタイア王国の王家の家紋の蝋印があった。
フェーブル国王が中を開くと、紙には涙が滲んでいた。
『約束は必ず守る。なんでもするから助けてくれ』
そんな悲痛な叫びが書かれていた。
どうやらフランソワーズが思っているよりも、ずっとひどい状況にあるようだ。

フランソワーズはイザークとノア、ステファンと共にすぐにシュバリタイア王国へと向かうことになった。
その後ろからはフェーブル国王がフランソワーズのために用意した護衛がズラリと列をなしている。
オリーヴが見送りに来てくれた。
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