追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
その証拠に夜になると人々は破壊行動を繰り返す。
フランソワーズも鍛え上げられた騎士たちに毎夜暴れ回られては、王都につくまでにどうなるかわからない。
そう思っていたが、教会に入ることで落ち着くことがわかった。
教会にいれば悪魔の影響は受けずに、暴れている人たちも正気を取り戻すようだ。
ステファンと話し合った結果、護衛の騎士たちには国に戻ってもらい少人数で移動することにした。


「皆、気をつけて帰るように。もし暴れる者が現れたら教会に運んでくれ」


騎士たちは、ここにいるだけでつらいのか額に汗を浮かべている。
このままだと自分たちも迷惑をかけてしまうことがわかっていたからだろう。
騎士たちはフェーブル王国に引き返すこととなった。
残ったノアとイザークも息苦しさを感じているらしい。

(……こんな風に影響が出てしまうのね。このままではフェーブル王国にも)

影響をまったく受けていないのは、ステファンとフランソワーズくらいだった。
少しでも楽になるようにとフランソワーズはノアとイザークの胸元に手を当てて力を使う。
すると呼吸が楽になったのか二人の顔色がよくなったような気がした。
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