追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
フランソワーズは号泣するオリーヴと抱き合いながら、無事にフェーブル王国に帰ってくることができた喜びを噛み締めていた。


「よくやった、ステファン」

「父上、すべてはフランソワーズの力があってこそです」

「フランソワーズもよく戻ってくれた」

「はい!」


フランソワーズはフェーブル国王と王妃と抱き合っていた。
まるで本当の親子のようにフランソワーズを可愛がってくれる二人の温かさに目には涙が滲む。


「うむ。ノアとイザークも最後までよく頑張ってくれた」

「ありがとうございます。国王陛下」

「……ありがとうございます!」


ノアとイザークも深々と頭を下げた。

その一週間後、王家にはベルナール公爵とセドリックから手紙が届き続けた。
セドリックの言い分はこうだ。
『本当はフランソワーズしか愛していなかった』
『マドレーヌに騙されてあんなことをしてしまったが君しか見ていない』
彼の軽薄な言葉の数々には溜息しか出てこない。
なんとかフランソワーズに縋って、自分の地位を取り戻そうと必死なのだろう。
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