追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜

宿もフランソワーズに豪華な一人部屋を用意してくれた。
外ではノアが護衛として待機してくれているらしい。
前もって準備してきた大きなリュック。
その中に入っていた非常食や武器などを使う機会はなさそうだ。
役に立ったのは着替えくらいだろうか。

ステファンは早馬を送り、フランソワーズのことを伝えたらしい。
フェーブル国王はフランソワーズが受けた仕打ちに心底驚いていたそうだ。
それからフランソワーズを丁重に扱って欲しいと手紙に書いてあったそうだ。

あとはフランソワーズの指示通りに、誰も呪いを受けることなく、常に光が当たる場所に本を移動させることができたようだ。
そうしただけで、最近は病に苦しめられていたオリーヴの病状が少しだけ安定したらしい。

オリーヴには長年愛し合っていた婚約者がいて、その令息と結婚することが夢なのだそうだ。
ステファンもオリーヴの長年の夢を叶えてあげたいと思っていると語った。

(ステファン殿下は、婚約者はいないのよね?)

フランソワーズはステファンに婚約者がいない理由が気になってしまう。
こんなにも素晴らしい大国の王太子だ。
実際、シュバリタイア王国の令嬢たちの間でもステファンは大人気だ。
好奇心のままステファンに問いかけた。
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