追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
オリーヴと入れ替わるようにして、食事が運ばれてくる。
部屋いっぱいに美味しそうな匂いが漂ってきた。
フランソワーズの前にある大きなテーブルいっぱいに豪華な料理が並べられていく。
フランソワーズは呆然とその姿を見ていた。


「フランソワーズ、どんどん食べてくれ」

「こ、こんなにですか?」

「ああ、好みがわからないからな。フランソワーズの口に合えばいいのだが」

「もったいないですわ。わたくし、いくらお腹が空いていても食べきれませんし」

「ははっ、全部食べれるとは思っていないよ。無理をせずに食べられそうなものだけ食べてくれ」


フランソワーズはその言葉に頷いた。
シュバリタイア王国の食事も豪華すぎて毎回、もったいないくらいだと思っていたが、フェーブル王国ではそれを上回っているような気がした。
フランソワーズはフルーツを手に取り、一つずつ食べていく。
瑞々しいフルーツを口に含むと、甘みとフルーツのいい香りが広がった。

それから香ばしい匂いにゴクリと喉を鳴らす。
フランソワーズはフォークとナイフを手に取り、料理を次々と口に運んでいく。
ずっと集中して祈り続けていたからか、吸い込まれるようにして料理は消えていく。
フランソワーズがお腹いっぱいになった頃にデザートと紅茶が運ばれてきた。
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