追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
初めて悪魔を祓ったことでオリーヴとステファンを救い、こうして感謝されたことが嬉しかった。
人の役に立っていると実感できたからだ。
だが、このタイミングでステファンに結婚を申し込まれたことに正直、戸惑っていた。

(わたくしは一体、どうしたら……)

ステファンのことは嫌いではない。
同じで馬車の中で過ごしたことで、むしろ彼への気持ちは大きくなるばかりだ。
しかしフランソワーズはステファンのことや、この国を知らなすぎる。
今、軽率にこの申し出を受けることはできない。
けれど王太子である彼の申し出を断ってもいいのだろうか。
フランソワーズの中に迷いが生じていた。


「わたくしは……」

「フランソワーズの気持ちを正直に教えて欲しい」


ステファンの言葉を受けて、フランソワーズはゆっくりと自分の考えを話していく。


「正直に自分の気持ちを話していいのなら、ここで軽々しくステファン殿下の申し出を受けることはできないと思っております」

「……!」

「わたくしは、ステファン殿下やフェーブル王国のことは知らなすぎます。無責任なことはしたくないのです」
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