追放聖女は最強の救世主〜隣国王太子からの溺愛が止まりません〜
それからもチャンスがあればシュバリタイア王国の令嬢たちから色々聞き出そうとするものの、有力な情報は得られない。
しかしフランソワーズがとても強い聖女の力を持っているのだと知った。
彼女とは挨拶を交わす関係ではあるが、二人きりで話すことは難しい。
フランソワーズの視線の先には、令嬢たちが談笑する姿があった。
無表情だが、何故だかとても寂しそうにも見える。

解決策を模索していたステファンだったが、ついに限界が訪れようとしていた。
ステファンのアザは全身に広がり、オリーヴも精神的に辛い日々が続いた。
もう何を犠牲にしてもシュバリタイア王国に頼るしかない、そう思った。

(せめてオリーヴだけでも救えたら……)

そんな思いを抱え、セドリックの誕生日パーティーへ向かった。
婚約者であるフランソワーズも必ず参加するに違いない。

今日こそは彼女と話し合うチャンスを……そんな時、チャンスは突然訪れたのだ。
セドリックの隣には、ステファンが知らない可愛らしい令嬢がいた。 

(フランソワーズ嬢はどこにいる?セドリックの隣にいる令嬢は誰だろうか)

その前にはポツンと佇むフランソワーズの姿。
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