鈴志那優良の短編集
殉愛
今日も橋本との関係を済ませる。本当は良くない。分かっている。だが、やめられない。私はもう恋に落ちてしまっているのだろう。いや本当にこれは、恋というものなのだろうか。こんな関係でいいのだろうか。
「今日もありがとう」
「……こちらこそありがとう」
ちゃんと橋本はしてくれている。だから今はこれでいいのだ。でも行ってしまうのだ。今日はもう行ってしまうのだ。
橋本はそそくさと帰る支度をして行く。私も帰る支度を済ましていく。そのまま橋本は会計を済ませに行く。
今日もこれで終わりなんだねと心の中で思うが奥底へとその気持ちを押し殺す。
「じゃあまたね」
「うん、またね」
そのまま橋本は暗闇へと消えていった。私の心も暗闇の中へと消えていくようだった。次はいつになるだろうか。いつまでこんな関係でいるのだろうか。ずっと考えてしまう。
こんなんではいけない。お酒でも飲もう。私は橋本が行った方とは逆へと歩き始めた。こういう時は決まってお酒を飲む。
入ったのはおじさんが集まる居酒屋。私は好きなだけ好きなものを注文した。油っこいものにハイボールがお決まりだ。心の中で1人乾杯しながら片っ端から箸を入れていく。食べて食べてそして下から何かが迫ってくるこの感覚。今日はこの感覚が来るのが早いななどと考えながら、トイレへと駆け込む。
そのまま迫ってきたものを勢いよく吐き出す。頭がぐるぐるした時はいつもこうなのだ。そして何も無かったかのようにまた席へと戻る。
繰り返しそれを何回か行い、落ち着いたところで店を出た。
「会いたいな」と1人ポツリと呟きながら暗闇の中、帰路へと着いた。
「今日もありがとう」
「……こちらこそありがとう」
ちゃんと橋本はしてくれている。だから今はこれでいいのだ。でも行ってしまうのだ。今日はもう行ってしまうのだ。
橋本はそそくさと帰る支度をして行く。私も帰る支度を済ましていく。そのまま橋本は会計を済ませに行く。
今日もこれで終わりなんだねと心の中で思うが奥底へとその気持ちを押し殺す。
「じゃあまたね」
「うん、またね」
そのまま橋本は暗闇へと消えていった。私の心も暗闇の中へと消えていくようだった。次はいつになるだろうか。いつまでこんな関係でいるのだろうか。ずっと考えてしまう。
こんなんではいけない。お酒でも飲もう。私は橋本が行った方とは逆へと歩き始めた。こういう時は決まってお酒を飲む。
入ったのはおじさんが集まる居酒屋。私は好きなだけ好きなものを注文した。油っこいものにハイボールがお決まりだ。心の中で1人乾杯しながら片っ端から箸を入れていく。食べて食べてそして下から何かが迫ってくるこの感覚。今日はこの感覚が来るのが早いななどと考えながら、トイレへと駆け込む。
そのまま迫ってきたものを勢いよく吐き出す。頭がぐるぐるした時はいつもこうなのだ。そして何も無かったかのようにまた席へと戻る。
繰り返しそれを何回か行い、落ち着いたところで店を出た。
「会いたいな」と1人ポツリと呟きながら暗闇の中、帰路へと着いた。