キミには一番星を


だって、学校の女子トイレでお嬢様に猿なんて言われてしまったくらいなのだから。

それにしても、衣装どうしよう。私も自分で選ぶには抵抗がありすぎる。

どうしようかと頭を悩ませていた時、ドアがノックされた。

マネが慌てて「はーい」と返事をした。その後に聞こえてきたのは、あの人たちの声だった。

「俺らです。スタライでーす!あの、奏サンの様子を見せてもらえないでしょうか」

基本、アイドルの言うことにマネは従わなければいけない。と言うわけで、メイク室にスタライの三人が入って来た。

「お、めちゃ可愛くなってんじゃん!さすが奏サン♪」

「お世辞ありがとうございます」

もう、からかうのやめてほしいな。

「お世辞じゃないんだけどなぁ。ま、いいや。とりあえず衣装だね。困ってるんでしょ?俺らが手伝うよ」

そう言った神矢さんを見ていたら、あることに気がついた。

スタライも衣装とメイクが変わっていた。さすが仕事が早いな、と感心していた私は舟星さんの言葉で我にかえった。

「なぁ、この衣装とかどうよ。カッコ可愛いとか言うやつだよ。似合いそうだけど?」

そう言って見せてきたのは、暗めの色で全体を統一してある少し豪華になったワンピースのようなドレスだった。

確かにこれはこれで可愛いけど、私には大人すぎるかも?

「ねぇねぇ、これはどう?僕的には女の子らしくて可愛いと思うよ?」

星川さんが見せてきたのは、ピンクと水色のフリフリのドレスだった。

これはこれで私には似合わない。そもそも、私にはピンクは似合わないのだ。

「うーん、二人とも良さげなやつだけど、私には似合わないかも?てか、着るのに抵抗が……」

「そっかぁ。これも似合いそうだったけど?まぁ、奏ちゃんに無理はさせられないしね」

「ッチ、俺的にはこれが一番好みだったのに……」

あはは、なんかすみません、自分で選べって話ですよね。

私、自分に自信がないので、ショボいものしか選ばないとは思います。

そんな中、神矢さんが見せてきた衣装には私たち一同は釘付けになった。

「奏サン、これどう?めっちゃいいと思いんだ♪」
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