キミには一番星を
「俺らも呼び捨てにするから。だからよろしくね、奏」
「なっ!」
ちょいちょいずるいって!私なんかが呼び捨てにする資格はないのに、何でそんなこと…!
「僕はちゃんづけで呼ばせてもらうね?」
「俺はお前呼びでいくわ。そう言うキャラだしな」
……じゃあいいよね?呼び捨てじゃなくても。
「ま、俺ら全員を呼び捨てにすること。じゃなかったらどうなるか、分かってるよね?」
脅しはずるい。もう、私には元々勝ち目はないのだ。…当たり前だけど。
最強男子の御三方には、逆らうことなんて出来ない。ビジュアル最強、声最強、多分性格もいい方だと思う。
そんな彼らと関わりが増えてしまって、私はこれからどうすれば良いものか。
それからも色々と話をしていた時、運転手の男性から「着きましたよ」と声をかけられ、私達は急いで車から降りる。
すると現地マネ(男性)が駆け寄ってきて、ある言葉を口にした。
「テレビの中継があと五分でつながります。今パフォーマンスしているグループが終わり次第、すぐにステージに上がってもらいます。私が案内するので着いてきてください」
…あと五分?!いやいや、ステージに着いたらすぐにスタライのパフォーマンスってことになるよね?
大丈夫かな……私の出番まではもう少し時間はあるけれど、すでに心臓がバックバクだ。
「五秒前!四、三、二、……」
マネの合図で、カメラがステージを映す。そこに立っているのは、スタライのみんなだ。
スポットライトを浴びて、これ以上ないくらいに輝いている。
パフォーマンスは完璧で、カメラマンの人も釘付けになっていた。もちろんん、私も。
…無事にパフォーマンスが終わり、ちょっとした雑談の時間になった。
……そして、もうそろそろで私の出番がやってくる。今回はただ話をするだけだから大丈夫。
そう思い込もうとするけど、いざとなると緊張して足が震えてくる。
「じゃあ、この辺で俺らの愛する織姫を紹介します!みんなで織姫って呼ぼう!」
神矢さん……星一の「せぇの!」の合図で観客のみんなが「織姫〜」と私を呼んだ。
その言葉に、私は応えた。スタライと同じステージに立つと、見える世界が輝いて見えた。
右を見れば星川さん……優雨と星一が、左を見れば舟星さん……七生がいる。
私は、一人じゃない!