キミには一番星を
「みんな、僕たちの可愛い織姫ちゃんの応援よろしくね!」
「んじゃ、早速自己紹介をしてもらおうか。ってことで、織姫よろしく!」
私は静かに深呼吸をすると、声が震えないように気をつけながら言葉を発した。
「みんな、今日からお世話になります。織姫こと、星木奏です!私のことはどんな呼び方でも大丈夫です。どうか、これから暖かく見守ってくれると嬉しいです!よろしくお願いします!」
そう言って私が頭を下げると、観客からたくさんの拍手が聞こえてきた。
きっと、織姫の存在に気に食わない人もいるだろう。
でも、そんな人たちも味方につけられるように私は一生懸命に頑張ると、今、心に誓った。
そんな中、テレビのスタジオから「織姫さんの特技は何ですか?」と言う質問があった。
…もちろん、打ち合わせ済みだ。さすがは舞さん!
「私の特技は、歌うことです!」
そう、私は元々歌うのが好きだった。曲を聴くのも好きだけど、歌う方が好き。
あまりいい声をしているとは言えないかもだけど、少なくとも、舞さんやスタライのみんなには褒められた。
だから、前よりは自信はある。
「織姫さんの歌って、いつくらいに聴くことができますか?」
この質問も打ち合わせ済み。この回答は星一がしてくれた。
「次のコンサートで、奏の歌声を披露しようと思います!俺らのお墨付きのナイスボイス、楽しみにしててね!」
その後も色々雑談をした。私の苦手な事や食べ物は何か、とか、メンバーカラーは何色か、とか。
ちなみに、私の苦手なことはボール競技で、ボールが小さくなればなるほど苦手だ。
食べ物は枝豆以外の豆類が苦手だ。特にスナップエンドウ!
そして、服からも想像できた人はいると思うけど、メンバーカラーはオレンジ。
星一が黄色で優雨が緑色、七生は青色だ。
テレビ放送が終わると、私の出番は終わった。ただ、三ツ星(スタライ)はもう一曲パフォーマンスを披露する予定だ。
本当に、私なんかと比べ物にならないくらいに、彼らは一等星のように輝いていた。
私も、こんなに輝くことはできなくても少しでも輝けたら良いな、と思った。