キミには一番星を
今知ったのだけれど、テレビ放送は生放送だったらしい。
事務所の人が番組を録画してくれていたため、私たちはそれを見てみた。
やっぱ、テレビ映りもバッチリなスタライは、毎回、アイドル人気トップスリーには入るようになっている。
そんな彼らと肩を並べるのは、まだ抵抗はある。
でも、私は私なりに良さをアピールしていこう、と今は前向きに捉えることができる。
それは関わってくれるみんなのおかげだ。
……テレビに私が映った。正直、まだぎこちなさを感じたけど、それなりに自然な笑顔ができたと思う。
何より、ステージの上の私はいつもの私よりも生き生きとしていた。
「奏お疲れ!いやぁ、もう、本当に可愛かった!よかったよ!」
「うんうん。私、舞台袖で見ていたけど、スタライよりも奏ちゃんの方が輝いてるように見えた!」
そ、そんなに褒めると照れくさくて顔を上げられなくなる。
「僕、神矢くんと舟星くんよりも奏ちゃんとの距離が遠かったのが、なんか悔しいな」
「フン。俺、妙に神矢が織姫にベタベタしてたのが気に食わなかったぜ」
「え〜?それは当たり前でしょ♪だって俺がリーダーなんだし、一番奏と仲良いもんね!」
……スタライは仲良いのか悪いのかよく分からない。だけど、仲はいい方だと思う。
それに、みんなを見ていて気づいたけど、彼らは自分を偽ってはいない。
ファンのみんなに対しても、裏での私たちに対しても、全く同じ対応だ。
口調や表情が全く変わらない。それこそが、このメンバーの強みなんだと思う。
スタライの織姫になれて良かったと、心から思う。
「あ、そうだ!私、思い出したけど次のコンサートが上手くいったら東京ドームのオファーが来るんだって!」
「「「え、まじか!!」」」
声を揃えて顔を輝かせる彼らは、本当に仲が良い。さっきの言葉は訂正する。彼らはとても仲が良い!(笑)
「良かったね!私、流石に東京ドームではステージに立たないよ。だから、スタライのみんなで頑張ってね!」
私なんか、今日デビューしたてのヒヨコだ。東京ドームでステージに立つ資格なんてない。
それに、今まで頑張ってきた彼らだけで楽しんでほしい。