キミには一番星を
「大変だと思うけど、私、頑張ってみる!出来るかじゃなくて、やるしかないと思うから」
今まで練習に付き合ってくれたみんなにも、感謝を伝えたい。これは、あくまでその手段の一つだ。
楽しいことには変わりないし、きっと大丈夫だよね!ポジティブに行こう!
ネガティブな私は、少しずつでしか変われないと思うけど、みんなのために!
「さすがだな、奏は。いつも頑張ってくれてありがとう!」
「へへっ、みんなもいつもお疲れ様!」
幸せだなぁ。こんなにいい仲間に恵まれて、私は本当に幸せだ。
「じゃあ、早速作詞作曲しようかな!ってことで、一回付いてきて」
「あ、はい!」
振り返った時、三ツ星のみんなはとても優しい顔をしていた。それだけで、私は頑張れる気がした。
結構いい感じだと思う。我ながら、初めてにしては上出来なのではないかと思う。
「ど、どうですかね?」
私の単独ライブをやることに決まってから、私は二日で歌詞を完成させた。
と言っても、まだ確認してもらっていないからこれから直しが入るのかもしれないけど。
舞さんにまずは歌詞を見てもらうと
「え、めっちゃいいじゃん!もしや国語の成績九十点台だったり?え、凄く良いと思う!」
との声をいただいた。……けど、まだ油断は出来ない。
彼女の美術センスはイマイチだから、今から三ツ星のみんなにもにも見せなければいけない。
さらにその後に、他のマネにも確認してもらう予定だ。
「えーと、歌詞出来たんだけど、どうかな?」
まずは三ツ星だ。たくさんの曲を生み出してきた彼らの評価も、結構大事だ。
ドキドキしながら反応を待っていると、なぜかしら七生の乾いた笑い声が聞こえてきた。
もしかして、センスが無さすぎたのだろうか。徐々に暗い気持ちになる私を置いて、星一と優雨まで笑い始めた。
「……もう良い。三ツ星なんて知らないっ」
悲しいと言うよりムカつきの方が勝った私は、彼らのいるスタジオの部屋から立ち去ろうとした。
流石に笑うとか、本当にありえない!例え三ツ星だったとしても、イライラを抑えられなかった。
「あ、ねぇ、ちょっと待って!」
そう言って追いかけてきた挙句、私の腕を掴んだのは星一だった。