キミには一番星を
「ごめんって!本当に、気を悪くしちゃったのなら、ごめん!」
んで、何で最初に謝るのが星一な訳?普通、最初に笑い始めた七生が真っ先に謝るんじゃないの?
……今の私、過去一可愛くない自信がある。ただでさえ可愛くないのに、もっと不細工になってるんだろう。
もう、嫌になってきた。せっかく頑張ろうと思ってたのに。
「ほら、七生も優雨も謝って!特に七生!お前のせいだって!」
「奏ちゃん、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけどね。って、これは言い訳だよね」
「…その、悪かったな。俺も、言い訳になっちまうけど、そんなつもりじゃなかったんだよ……織姫の作った歌詞が、あまりにも良すぎてついつい笑っちまったんだ。すまん」
……星一に私の考えが伝わったのだろうか。彼は二人に謝るように促した。
でも、謝られると、何だか微妙な気分になる。てか、歌詞が悪くなかったんなら笑わないでほしいんだけど!
「…私も、勘違いしちゃってごめんね?」
全く、三ツ星の取り扱いには注意しないとだね……ややこしいから。
「それでね!めっちゃこの歌詞いいと思う!奏、そう言う系の道で食べていけそう」
「俺、こんな才能まで織姫が持ってるなんて驚きだったぜ。ついつい笑っちまう程にな」
「僕も、奏ちゃんの歌詞に、心打たれた。これから、たまに僕たちの曲の歌詞を作ってほしいな」
そ、そんなに良かったの?……素直に嬉しい。私の自信作、マネにも褒められるかな?
ま、でも、マネに褒められなくても別にいいや。
私がみんなに伝えたいことを想いに込めた歌詞だから、直しをされかけても、この歌詞を貫き通す。
この意思は絶対に変わらない。それに、舞さんと三ツ星のみんなにいいと言ってもらえたんだから!
「へへ、私、頑張る!みんなも、最後まで頑張ろうね!」
そう、笑顔で言った後、私は他のマネのところへと足を進めた、
そして、今、直しをすることなく、この歌詞で曲を作れることになった。
ただ、私には曲を作る技術が未熟なため、日頃からスタライの曲作りに関わっている作曲家に手伝ってもらった。
そして、三週間で曲が完成した。まだ歌詞を覚えられないので、歌詞を見て試しに歌ってみた。
……とても気持ちよかった。楽しかった!自分でも口角が上がりっぱなしなのを実感する。
そうして、私の単独ライブは成功しそうな予感で満ち溢れていた。