キミには一番星を
「ほら、それよりもじゃんじゃん食べよう?いっただっきまーす!」
プシュッといい音を弾けさせながら、舞さんはゴクゴクと勢いよくお酒を飲んでいる。
それにならって私たちも缶ジュースを飲んだ。机にはポテチとじゃがりこ、果汁グミなどが置いてある。
これじゃあ、夕飯が食べられなくなりそうだ。私にはちょうどいいっちゃちょうどいいけど。
テレビを見ながら次々にお菓子を口の中に放り込む。
何だかみんなでご飯を食べるのが懐かしい。ずっと一人暮らしだから、こういう時間が幸せだ。
思い出話を挟みながら、私たちはお菓子を食べる。
優雨以外の私含めた四人はバクバクと食べている。優雨だけはなかなか手が動いていない。
「優雨、食欲ないの?それともお菓子嫌い?」
私が聞くと
「グミはいくらでも食べれるけど、スナック系はそこまでたくさんの量は食べれないんだ」
との返事が返ってきた。
その感覚、私もそれなりに分かる。ポテチは例外だけど、このじゃがりことか、二本食べて充分なのだ。
それに、コッテリよりはさっぱりフルーティーの方が食べやすい。
ま、どうでもいい話は置いておこう。ここからは真面目な話。
「これから、東京ドームに向けてどうする?まだ四ヶ月はあるけど、その前に一つ小さめのライブの予定が入ってるんだ。私、みんなの体調が心配。奏ちゃんも加入してからそこまで時間は経っていないし」
「うーん。でも、どっちも本気でやりたい。その小さい方は俺らだけでも良い。俺らは慣れてるから、奏次第かも」
「僕も奏ちゃんには無理しないでほしい」
結局は私にかかっている。正直、みんなにとって私はまだまだ足手纏いなんだ。
でも、だからと言ってライブを一つでも欠席したくない。
今日と同じ曲でも良いから、ファンになってくれた人のためにパフォーマンスをしたい!
「っふ、織姫はやる気なんだな?キツくても、体調を崩しても弱気なんてものを吐くなよ?」
七生から厳しい言葉をかけられても、私は大丈夫。体調すら崩さないでみせる!
「私、どっちも出たい!足手纏いになると思うけど、三ツ星に追いついてみせるから!」
「うん。分かった。俺、奏の味方だから、いつでも相談はオッケーだよ!」
「みんなありがとう!それと、今後もよろしくお願いします!」
まだまだ私たちの道は続く。ゴールなんてない。ひたすらに、私たちは目の前の壁を乗り越えて、壊して、歩き続ける。