キミには一番星を
リスタートで輝く



 私は次の新曲を作詞作曲していた。これは私自身のと、スタライみんな用の二つだ。

だから、私はいつにも増して忙しかった。

作詞に関しては学校でも考えることができるけど、作曲は学校では出来ない。しかも、私は初心者だ。

教えてもらいながらの作曲は、なかなか進んでいなかった。歌詞が毎回早く完成させることが出来ている。

ただ、作曲は手伝ってもらっている人に任せっぱなしだった。

流石にこう言うふうにして欲しいと意見は伝えているけど、自分自身の手だけで曲を作れないことが悔しい。

「あ、ここ、もう少し明るめで行きたいです。少しテンポを速めても良いかなって感じです」

こんな感じで意見を言うだけの私に、きっとこの作曲家の人はややむかついているだろう。

でも、私が伝えたことは完璧にこなしてくれる彼はすごいと思う。私も一人でここまでやってみたい。

今回は同時に二曲作らないといけなかったけど、私の曲の分はライブの予定がない時でも作っておこう、と決めた。

とある人は「忙しいからこそ人は頑張れる」と言っていた。本当にその通りだと思う。

織姫になってスタライのメンバーになってから、凄く忙しくなった。でも、過去一頑張ってるって感じがする。

そう思うたびに、私は少しずつ前を向いていけるんだ。



 そして今日、運命の日を迎える。

「わー!これが東京ドームかぁ。デッカ!」

そう言って興奮するのは星一だ。私たちはライブ開始六時間前にドームに着いた。

これから機材や音響の確認を含めた最終リハを行う。スタッフの人にも、色々手伝って貰わないといけない。

「待ちに待ったこの時が、ついに来たんだね!私、泣きそうだよ…よくここまで頑張って来たね!」

舞さんが涙目になっているのをみて、ついつい私たちは静かになる。

今までのたくさんの思い出を振り返っていたからだ。

「私のこと、スタライの織姫としてメンバーに入れてくれてありがとね。みんなの夢を無駄にしないように頑張る」

「逆に俺こそ、みんなに感謝だよ。リーダーの俺について来てくれてありがとう!」

「「当たり前だよ」」

優雨と七生が声を揃える。そういえば、この二人は何故か星一のことを好いている。

詳しい理由は知らないけど、私も含めて、星一は恩人のような存在なのだ。

彼はきっと、神様にたくさんのものを与えられたんだと思う。それは自分で使うものじゃない。

たくさんの人を幸せにできる力、それを星一は授かったんだと思う。
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