キミには一番星を












 何曲か歌った後、このまま私の一曲目の曲と、新曲を披露する番になった。

最初に一曲目の曲を歌う。流石に人も多くなっているから一人だと言う緊張はあった。

でも、それ以上の楽しむことが出来た。お次は新曲だ。今回の曲は前よりも激しめの曲にした。

みんなも一緒に楽しめるように、盛り上がれるようにと思ったのだ。

「壊れかけのheart、目覚める魔法。手を叩けば、君もほら。流れ着く、君の靴。美しい景色に溶けてしまえば」

今のところ、みんなノリノリだ。このまま私のペースに巻き込めるかが大事なんだとみんなは言っていた。

「揺られてひらひら舞い降りれば、温かな君のその眼差しが。手に持っているその唯一のlight。雨になって君へ届く」

もっと、もっと、もっと!まだまだ全然足りない。私の物語はこんなもんじゃない!

ファンのみんなも、一人一人に物語がある。今もそのうちの一ページになれば良いな。

「嗚呼、愛したい。貫けその物語。最後まで一ページも飛ばさずに読み切れば君の話。

届くかは知らない、愛、哀、藍、哀、愛の鎖。今も声にならない」











「聴いてくれてありがとうございました!」

まだ慣れない拍手の音が、前々回よりも大きく響いていた。

ペンライトも今だけはオレンジ一色。それに、少し前から発売した私のグッズもそこそこ売れている。

私がいても、スタライの人気は伸びるばかりだ。

「次は私を含めた四人。スタライの新曲を披露します!三ツ星〜!」

私が呼ぶと、星一が返事をした。打ち合わせ通りだ。

「はーい、呼ばれました三ツ星です!四人揃って」

「「「「スタライです」」」」

これも打ち合わせ通り!そして、七生が曲の紹介をする。

紹介が終わったら、早速パフォーマンスが始まる。私の過激めのダンスも、初披露だ。

「厚く重ねていく。爆音轟かせる。全てが正しいで溢れているわけじゃない」

ここは七生のパート。しゃくりを入れながら力強く表現する。

「止まらない記憶。鏡に映る。誰もが一つ一つ星屑のような、君にしかないもの」

ここは優雨のパート。ウィスパーボイスで会場が満たされる。七生とのギャップがかっこいいんだ。

「回る花びらに手をかざす。我武者羅に生きていく。此処にはまだ居られない。ガラスのような心の中で」

この私のパートはややがなりを入れる。今までは披露したことがないから、観客のみんなは驚いていた。
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