キミには一番星を
「で?奏サンは何がやりたいの?」

…きっと、神矢さんから少しだけ圧を感じているのは、私が緊張してしまっているからだろう。

私が緊張してる?絶対にヤダ!

「別にやりたくないです。あなた達三人でやっててもらえたらそれで良いんで」

あ、しまった。今の発言で私が滅茶苦茶感じ悪いって思われた。

しょうがなくない?あの三人に緊張してるって思われたくなかったんだもん!

「…へぇ?俺らにそんな態度を取ってもいいんだ?」

げ、神矢さんから今度こそ圧がかかった。

「僕、結構傷ついちゃったなー」

「いい根性してんな?誰に向かってそんな口調で話してんだよ」

わわわ、星川さんと舟星さんにまで?!

やらかしてしまった。しかも、優里香でさえも呆れた顔を向けられている。

穴があったら入りたい……いっそのこと、野菜にでもなりたい……ん?あ、そうだ良いこと思いついた!

「あ、あのっ、やりたいことありましたっ!」

「は、はぁ。キミ、元気良いね…」

いやいや、それほどでもないです…って、元気良いと言われながら引かれてる…!

「えーと、ほ、ほうれん草ゲームしませんか?」

私のこの頭で考えたとっておきのゲームだと思う。小学生の頃、何回かやったことがあったのだ。

今、この場で思い出せて良かったぁ。

「「「「ほ、ほうれん草ゲーム?!」」」」

……何もそんなに驚かなくても良いじゃんか。流石に傷つく……

「ねぇ、奏、ほうれん草ゲームってどんなやつなの?」

「俺もきになるな」

「…みんな知らないの?」

「「「「初めて聞いた」」」」

四人とも息ぴったりだなぁ。ってそうじゃない!え、本当に知らないんだ。私が田舎生まれの小娘だから?

なんか悲しいな。そっかぁ、でも、これがチャンスだよね!

「じゃあ、遊び方を教えるね!

ほうれん草ゲームは大人数でやるから楽しいんだよ?最低でも三人は必要なゲームなんだ。

まずは最初の人を決めるんだ。その人はほうれん草を二本持った状態で、手をグーにして表現するんだよ。

その人は『ほうれん草』の掛け声に合わせて二人にほうれん草を渡すの。

渡された人はもらった時に『ほうれん草』、渡す時に『ほうれん草』と言う。この繰り返しだね。

ちゃんと目で追っていないと、誰がほうれん草を持っているのかが分からなくなってしまうから注意が必要だよ。

自分のところで止まってしまったら負けになっちゃうから」
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