キミには一番星を
星一がそう言った途端、なぜか二人は笑い出した。そしてこう言ったんだ。
「「俺らの恩師に迷惑だなんて思わない」」
あぁ、そうだった。星一は自分自身が辛い思いをしていても、二人を救ったんだ。
だから、二人にとっては恩人で、憧れの人なんだろう。私もそうだ。星一のおかげで、私も輝くことができている。
今も温かいみんなに、私は、私たちは救われている。いつの間にか、優雨も七生も立派な一番星だ。
個人でも最強なのに、三人も集まったら最強だけで言い切れないや。
そんなみんなといつまでも一緒にいたいって、星一とまだまだ一緒に生きたいって、心の底から願った。
私たちの一番星に、願い続けた。
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ここはどこだろう?でも、どこかで見たことがある気がする。
とても穏やかな雰囲気が漂うこの空間、懐かしいなぁ。……懐かしい?
あ、思い出した。前世の私がいた世界だ。私たちが生きていた世界の裏側に、今、私はいる。
…その時、目の前にある人物が現れた。それは前世も目にした使い人だった。
「私、また死んだんですね。でも、今回は結構長生きできたと思います!星一も無事に生きてます」
「はい。あなたの家族様と、ここでずっと見ていました。流石ですね」
そう言った使い人は微笑んだ。前世の私は見たことがなかった使い人の笑顔。
「それよりも、意外と星一のお母さんの説得が簡単だったんです。前世は厳しそうだったのに、何でですかね?」
「あぁ、それは我々が手助けをしたからですね。あなたの家族様も手伝ってくれましたよ?」
「えっ!そうなんですか?!」
私の家族が……?お母さんの説得が簡単になるように手伝ってくれたの?
「……それは悲しさですか?嬉しさですか?」
「へへっ……嬉しさ、の涙ですっ」
私はポロポロと涙をこぼしていた。そっか、ずっと見てくれてたんだ。
と言うことは、私たちが付き合ったことは知っているんだろうな。結婚したことも知っているのかもしれないな。
「あなたの家族様は、あなたが結婚したことを見届けてから、次の人生へと歩いて行きました。……今のあなたの家族様の姿をご覧になられますか?」
もちろん私は、使い人の言葉に頷いた。
そこで見せてもらったのは、可愛らしい女の子になったお母さんと、かっこいい男の子になったお父さん。
それと、これまた可愛くなったお姉ちゃんだ。