キミには一番星を
織姫はいつも大忙し
それから一週間、特に変わったことは起こらなかった。ただ、私のことを気に入らないお嬢様達はいたけど。
私は比較的平和な生活を送っていたけど、それもどうやら今日で終わりのようだった。
ーそれは、今日のお昼休みのことだった。
私と優里香で雑談をしていた時、教室がザワザワし始めた。
「え、何だろう」
「あ、あーそう言うことね。……奏、これからも気を確かに生活してね?」
え、怖いんですけど。え、何が起こっているの?気を確かにって……
そう考えていた時、教室が急に静まり返った。
それに、なぜか奏が私の側から離れた。ど、どう言うこと?何が起きてるの?
そこに、三ツ星さんが教室に入ってきた。あれ?確か、今日は彼らって仕事がなかったっけ?
それで今日は休むんじゃなかったっけ?…あ、もしかして仕事終わり?服がかっこいい衣装のまんまだ。
……そんな彼らは徐々に私に近づいてきて、私の目を見てこう言った。
「「「今日から、俺らのお姫様になって?」」」
え、え、えぇ?!
「何がどうなったら、そんなことに?」
「あれ、もしかしてテレビ見てなかった?」
ん?
「み、見てなかったけど……」
そこに、少し離れたところから優里香がある言葉を言った。
「本日から、STAR LIGHT NlGHTに、お姫様が出来ることになった。それが奏になったんだよ」
「え、でも、何で私?」
何ならそこら辺のお嬢様の方が、やっぱ可愛いし、釣り合うんじゃないですか?私も恨まれたくはないし。
「俺らが一目惚れしたのが奏サンだったんだ。お願い、俺らのお姫様になってくんない?」
その瞬間、私はときめいてしまった。三ツ星さんにそ、そんな一目惚れとか言われちゃったら、流石にね?
…無理もないでしょ!?
「あ、ならさ、ほら、そこのお嬢様の方がお姫様役にピッタリじゃない?」
私が指差したお嬢様は、この言葉と同時に頬を赤らめた。三ツ星さんも、そのお嬢様の方を振り返った。
「ね、可愛いしスタイルいいし、いつもフリフリのドレスみたいな服着てるから、お姫様っぽくない?」
「……奏サン、見る目ないね」
待って、それはお嬢様に失礼じゃ……
案の定、そのお嬢様は顔を真っ赤にして苛立っていた。これは私も責められそうだ。
「僕たちは、そこら辺のお嬢様に興味なんてないんだよ。奏ちゃんに興味があるの」
「面白い視点を持ってるアンタなら、俺らは一緒にいて楽しめそうだからな」
そ、そんなに星川さんと舟星さんに褒められても、私なんかがお姫様になっちゃったら、それこそお嬢様に恨まれる。