恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
巡る
昨日の体調の事もあり
今日はリハビリは中止。
私の元に遊びに来てくれた
彩とファッション雑誌を見ていた


「彩はスタイルいいから
 こういうモデルさんが
 着てるの似合いそうだね」


前に身長を聞いたら
165センチと言っていて
私は小さいから、
美人で足の長さも細さも綺麗な
彩が友達で自慢したいくらいだ


『いやよ。
 身長なんていらないわよ。
 私は日和みたいに小さくて
 可愛くなりたいけどね』


小さくて幼児体型だから
成長止まっちゃってるし……


彩とはこうして何回か話しているうちに
友達ってことが理解できて、
会えるのが楽しくなってきた。
だけどあのもう一人の友達には
何故震えてしまったのだろう……


「あ‥あのさ‥‥彩はさ
 黒髪の子で私の友達って」



コンコン


突然ノックされた扉に
彩が立ち上がってドアを開けてくれた


先生はこんな時間に来ることはないし
お昼まで2時間近くあるから
食事でもないはず‥‥
昨日発作が出たから何か検査かな‥


ガラッ



‥‥‥‥‥えっ!?


扉が開いた先に
昨日中庭で一緒に居てくれた
瀬木さんと呼ばれた男性がいて驚く



『おう、遅くなって悪いな』


「お兄ちゃん!?」


彼の後ろから現れたお兄ちゃんは
ドアを閉めると私の方に来て
ベッドに腰掛けた



『日和気分はどうだ?』


お兄ちゃんの言葉も
耳に入らないくらい
私の瞳は瀬木さんという人でいっぱいで
瀬木さんも優しい笑顔で
こっちに歩いてきた



『こんにちは』


「あ‥‥こんにちは。
 あのどうしてここにいるんですか?」


お兄ちゃんと彼を交互に見てしまう


『日和、実はな、この人が
 日和に本を貸してくれている
 持ち主だよ』


えっ!?


『立花さん、何度も会ってるのに
 自己紹介もしてなくてごめん。
 尾田 隼人と言います。』


トクン……


尾田……隼人?
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