恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
 瀬木 遥 side


『‥‥おやすみか‥』


 先月書いていた作品の内容に
 行き詰まって、出版社に
 紹介された立花 櫂さんに、
 仕事の合間に連絡をして
 会いに行った。

 
 その大学に話を聞きにいった帰りに
 偶然に再会したのが
 矢野 日和だった。


 教授室から出て来たときは、
 一瞬見間違えかと思ったけれど、
 あの後すぐに彼女のことを
 櫂さんに電話して聞いたら、
 両親が離婚して今は苗字が違うけど、
 やっぱりあの矢野だった。


 櫂さんの妹とは驚きだったけど、
 俺の中で、5年前の事は
 未だに続いてて、
 いつか会えると信じて今日まで
 過ごして来たようなものだ。


 矢野‥‥‥‥
 ずっと会いたかったと
 伝えていいのか‥‥


 君が自分から言うまでは、せめて
 知らないふりをしてあげたい‥‥


 瀬木 遥 side
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