恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
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私が先輩の家に住み、
家政婦業に慣れ始め
早いもので一週間が過ぎていた。


この生活がどうなるんだろうって
かなり不安だったけど、
真面目にバイト沢山してきたおかげか、
仕事となるとかなり割り切れてる。



『ひ よ り?ふふ』


「何……その笑顔怖いんだけど。」



講義で一緒になった親友の彩が、
久しぶりに構内にある
カフェに誘ってくれた。



高校生の時に
転校して北海道に行ってから、
少しずつ元気を取り戻して
友達と呼べる子も数人出来た。


その中でも彩は、偶然講義で隣になり
出会えた本当になんでも話せる
大切な親友の1人だ。


今日は瀬木さんに
特に何も頼まれてないし、
晩御飯を作る頃までに帰ればいいから
彩もなんだか嬉しそうだ。



最近瀬木さんについて
幾つか分かったことがある


・徹夜明けや
 締切前の時は特に機嫌が悪い。

・そして疲れると
 いつも以上に無口になる。
 無表情というより無に近い。

・コーヒーがとにかく大好き
 ほっておくとご飯食べずに
 一日が終わる。


基本的には
無口で言葉が足りないけれど、
その割に私のことを案外よく見ていて、
時々声をかけてくれる。


機嫌が悪いのは
めちゃくちゃ伝わるけど、
わたしに対して話す時は普通だし
家政婦としての仕事をすることが
仕事だからそこは大丈夫になっていた。


そしてもう一つ。
作品に行き詰まる時だけ
ベランダで稀にタバコを吸っていること



私の中での瀬木さんは
まだどこかで先輩の時のままだ。


煙草をふかすイメージはなかったから、
初めてそれを目の前で見た時は
時間の経過や大人な一面を感じて
少し寂しくもあった


私が知る6年前の先輩は、
制服を着ていた図書館での姿のみで
共通の本が好きなことしかわからない。


何が好きで
どう生きてるかなんてとこまで
知らないまま引っ越したから
少しずつ知らない姿が見れて
嬉しい気もしている。



『で?どうなの?』


「どうって何が?」


『はぁ!?同棲よ、同棲!!』


「ぶっ!……ゴホッ……」


先輩の事に浸っていたのに
大きな声で言われた
言葉にむせてしまう。
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