恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
やっぱり
先輩を物凄く傷付けていたことに
申し訳なくて胸が苦しくなる。
傷付いたのは先輩だから私は
泣いてはいけないのに‥‥



『次の日会って
 もう一度ちゃんと話そうとしたら、
 二度と図書室に
 矢野は来ることはなくて、
 また明日来るんじゃないかって
 図書室でずっと君を想ってた。』


自分が言った何気ない一言が
一番大切にしたかった人を
とても苦しめてたのに、
私は逃げてばかりだったんだ


先輩はずっと思ってくれていたのに
ツラくて忘れたい自分のことばかりで、
身勝手な時間を過ごしていたのが
恥ずかしくて情けない



『立花‥‥
 伝えたいことがあるから
 聞いてほしい‥』


ドクン


もう駄目だ……
きっとクビになり
何処かへ行けと言われるだろう


先輩は最初から
矢野 日和と知っていて
一度も責めることなく
何も言わずに側に置いてくれていた


そして、
私に大好きな本のことを
時間を割いてまで沢山教えてくれた。


いい思い出が出来たじゃない‥


これで………
本当に離れられる



罵声を浴びさせてくれても構わない。
優しい方がかえって別れがツラい




『俺は今でも忘れられないその子に
 ずっと変わらず恋してる。
 6年前言った言葉が
 本当なら諦めるけど
 違うというなら教えて欲しい』



えっ?


出ていけって‥‥言わないの?


顔も見たくないから
消えろって言わないの?


嘘ついて知らないふりして
あんなに沢山傷つけたのに‥


涙が溢れたまま俯いた顔を
キレイな手が包んで上を向かせると、
その先に泣きそうな顔が見えた




『‥‥好きだ』


ドクン
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