恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
あまりにも先輩が私を見て
嬉しそうに笑っている。


きっと顔が赤いであろう私は
色々な意味での恥ずかしさから
小さく頷くことしか出来なかった


『‥‥‥可愛い。』


「ンッ‥‥」



さっきみたいに呼吸が苦しい時に
塞がれたのとは違う優しい唇に
静かに瞳を閉じる


初めてでどうしていいか
分からない私は、
なかなか離してくれない先輩を前に
瞳を閉じたまましがみついた。





『立花………もう逃げようとしても
 離さないからずっとここにいて。』



一度離れた唇がもう一度長く塞がれて
私は震える手でまた
必死で先輩にしがみついた



もう離れなくてもいいんだ…
あんな思いは大切な人に
2度とさせてはいけない


忘れようとしてた思いが
外に溢れ出し
全身に潤いが行き渡るように
温かさで満たされていく




『立花‥‥白樺の花言葉は
【あなたを待ちます】
 って言うんだよ。』


唇が離れた後、
耳元で囁かれたその言葉に
涙と共に笑顔が出てしまった


裸足で飛び出した事に
お互い気付いたのは
それから暫く後のこと。


2人で汚れた服を見て、空気の澄んだ
空を見上げながら笑った
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