あの日、私と君は恋に堕ちた
「ははっ、しゃーねーな、ほら貸してみ?」
カザモリ ミノル
この“風森 ミノル”に出会ったのはあの日の会話だけだった。
「なぁ、なんでこんな所いるわけ?」
ミノルはある日突然、こんな事を問いかけてきた。
「…別に」
私はこのときクラスの友達とは離れた場所にいた。
「クラスの奴らあっちにいるじゃん、あっち行けば?」
「…無理」
私は今クラスの中で一番リーダーシップのある奴。
ヤマシロ ナオヤ
“山城 尚弥”と喧嘩をしている。
「ふーん、どうせ誰かと喧嘩したんだろ?」
「図星か、」
なんなのこいつ、私の邪魔してんじゃん。
私は今クラスの人と離れようとしてんのに。
「話してみろよ俺に」
「はぁ?なんでお前に話さねぇといけねぇんだよ」
「はぁ…それなら今日の夜俺んち来い」
「やだ、無理、行くわけない」