夜に沈む君の星になりたい。
「楽しんでおいで。塾の私が言っていいのか分かんないけど、近藤さんは勉強しすぎ。先生には伝えておくよ」

許してもらうどころか心配されてしまってなんだかくすぐったい。

「ありがとうございます」

「じゃあ、おつかれさまー」

塾を出た私はそのまま駅に直行して電車に乗る。

空いている車内で今日唯織に話したいことを考える。

唯織と出会ってまだ4日目。

それなのに不思議と昔から知っているような感覚になるのだ。

最寄駅から歩道橋までの道も、たった一週間前はうつむいて憂鬱な気分でいたのに、今ではそのかけらもない。

まっすぐ前を向いて、目線が自然と唯織を探している。
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