夜に沈む君の星になりたい。
「やっほー」

唯織は私の前で立ち止まると、私の顔を覗き込んだ。

「あれ、どうしたのにやにやして」

「ちょっと、にやにやって言わないでよ」

「ごめんごめん、どうしたの?」

「明日、初めて塾休むの」

唯織はぽかんとしている。

「放課後にね、パンケーキ食べに行くの。誘ってもらって」

「昨日言ってた友達?」

「うん、友達と放課後寄り道するのも、初めて」

「よし、決めた。今日の宿題。明日、楽しんでくること」

「うん」

横を向いて歩道橋に腕を置いた唯織を倣って同じ方を向いた。
< 22 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop