夜に沈む君の星になりたい。
「静かだね」
唯織が唐突に話し出すから不思議に思いながら私も返す。
「暗いね」
「…俺の友達さ、すげえあほなんだよ」
「え?」
急に何の話かと思ったが、唯織はさっきと同じところを見たまま話し続ける。
「勉強できないし、やることも馬鹿なことばっかなんだけどさ。すごいいいやつなんだよね」
唯織の横顔を見ながら黙って聞く。
「俺、いろいろあってそいつにめっちゃ心配かけて悲しませちゃった」
喧嘩でもしたのだろうか。
それにしては深刻そうな顔をしている。
「あ、ごめん、変な空気にしちゃった」
私の視線に気が付いたのか苦笑いして私を見た。