夜に沈む君の星になりたい。
「じゃあ、明後日。またね」

手を振って歩いていく唯織を眺める。

元気なのに寂しそうで、悲しそうな背中。

きっと本当に大丈夫な人は深夜の歩道橋になんか来ない。

いつか背負ってるものを分けて。


その夜は寝つきが悪かった。

そういえば今日は宿題が出なかったとか、明日は塾の後どうしようとか。

そんなことを考えながら部屋の天井を見つめる。

いつのまにか唯織を中心に考えていたことに気づいて戸惑う。

明るくて、頼もしくて少し強引な彼。

だけどたまに、隣にいるのにすごく離れているような感じがするのだ。

確かに私と話しているし、触れられもする。

でもそういう時、私はわずかに胸が締まるような感覚になる。

この感覚の正体を、私はまだ知らない。
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