夜に沈む君の星になりたい。
言いながらまた赤みが増していくから。

「っ赤くなりすぎ」

その様子が可愛くて思わず吹き出してしまう。

「…そっちこそ」

唯織は顔を覆っていた手を外して、私を囲むように歩道橋に手をついた。

腕に唯織の手が触れそうだし、顔も近い。

音を立てる私の心音が伝わってしまいそうなくらい。

「誰にでも行っちゃだめだよ、その、かっこいいとか」

「そんなの、唯織にしか言わないよ」

実際、そういうことが言えるほど、仲がいいのは唯織しかいない。

「赤くなってるよ」

唯織の顔が近づいてきて、私の肩に吐息がかかった。

「かわいい」

突然耳にささやかれた言葉にびっくりして耳を抑える。
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