夜に沈む君の星になりたい。
「ああ、もうこんな時間」

唯織が腕時計を見て言った。

「じゃあね、また明日」

「あ、うん」

唯織が立ち去るのを後ろから眺めていると唯織は絶対に振り向く。

手を大きく振られて、私も振り返す。

深夜の街は人がいないから、普段ではしないように大きく手を振るのだ。

それを見て唯織が満足そうに笑うのを見るのが好きだ。

私という存在がちゃんとここにあるって感じられる。
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