夜に沈む君の星になりたい。
「着てて。最近涼しいし」

「…うん」

私はジャケットの襟元をぎゅっと握った。

さっきまで唯織が着ていたジャケットはほのかに温かくて、唯織に包まれているようだ。

こんなことでも、ドキドキが止まらない。

唯織にとっては何でもないことかもしれないけど、一つ一つに意味を探ってしまう。

こういう経験をもっと前からしていたであろうほかの子たちを少し尊敬する。

そっと視界の端に唯織を入れてみる。

「ん?どうかした?」

「あ、えっと」

「そんなに見つめられたら照れるじゃん」

「あ、ごめん」

顔に熱が集まっていくのが分かった。

そんなに見つめていたんだろうか。
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