夜に沈む君の星になりたい。
家に帰りたくなくて、近所をいつもふらついてから帰るのだが、家族は誰も心配しない。

それどころか、たまに早く帰ると、勉強をさぼったのではないかと思って怒られる。

昨日はああ言っていたものの本当に唯織がいるのか私は少し疑っていた。

昨日初めてあったような人を信じろという方が無理があると思う。

「佐那!」

静かな街の中で、私の名前が響いた。

歩道橋の反対側から唯織が手を大きく振って近づいてくる。

まるで約束していたかのように、私が来るのは当たり前のように驚いている様子もない。
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