夜に沈む君の星になりたい。
「ちょっと、近所迷惑になっちゃう」

私は駆け寄って唯織をとめる。

「大丈夫だよ」

唯織はのんきに笑っている。

「今日は、何したの?」

「えっと」

思い返してもいつもと同じ。

「学校行って、塾行って、帰ってきただけ」

「もう塾行ってるの?勉強苦手?」

「いや、受験のために」

「えー、俺なんて高3入るまで遊び惚けてたのに」

ありえない、と言わんばかりに怪訝な顔で私を見る。

「それ、つまんなくないの?」

「ずっとそうしてきたから、学校でも塾でも勉強しかしたことないし」
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